大人女子に贈る、とびきりリアルな沖縄旅行

おきなわワールドで紅型体験ができる「紅型工房 結紅琉(ビンガタコウボウ ユクル)」|沖縄南城市

ライター:
ライター、マンガ編集者の島袋 直子
島袋 直子
紅型体験 着色

沖縄をギュッと詰め込んだ「おきなわワールド」内に、国・登録有形文化財に認定された古民家の紅型工房があります。今回は、そこで鮮やかな紅型染めを体験してきました!

紅型体験の場所はおきなわワールド内!赤瓦屋根の外観

紅型体験 外観
移築した古民家が紅型工房に
那覇空港から車で約30分の観光施設「おきなわワールド」。そこに紅型染め体験ができる「紅型工房 結紅琉」はあります。琉球王朝時代を再現した「琉球王国城下町」には赤瓦の古民家を移築等した建物が並び、中には平成20年に国・登録有形文化財に認定されたものも。この「紅型工房 結紅琉」もその一つで、明治後期に建てられた木造平屋建て瓦葺き(カワラブキ)住宅の旧喜屋武(キャン)です。平成7年に八重瀬(ヤエセ)町(旧具志頭村仲座(グシカミソンナカザ))から「おきなわワールド」に移築され、現在は紅型染めの体験や販売を行っています。建築主は旧具志頭村議長、4代目村長を務めていた家柄でした。沖縄本島南部は沖縄戦が最も激しかった場所で、戦火を逃れて奇跡的に残った建物だそう。ひさしの柱には砲弾の跡が残る箇所あり、沖縄の歴史を語る上では重要な建物となっています。

「紅型工房 結紅琉」の看板
「紅型工房 結紅琉」の看板
正面にある「紅型工房」と書かれた木製の看板は体験できるのがわかりやすいですね。

紅型体験 外観
紅型染め商品が並ぶ
外側にはこちらの工房で制作した紅型染めをはじめ、県内の紅型作家の作品も並びます。主な商品はTシャツ、絵葉書、手拭いなど。紅型染めは500年の歴史があり、鮮やかな色彩と多彩な模様の沖縄を代表する染め物です。琉球王朝時代に日本をはじめ、中国・東南アジア等の交易により影響を受け、沖縄独自の染め物として発展しました。「紅型」の語源は一般的に、「紅」は色彩、「型」は模様を意味すると言われています。こちらの工房では紅型染めの体験ができます。

ワンポイントアドバイス

貴重な赤瓦の古民家で自分だけの紅型染めを染められる。

畳間のくつろげる空間で体験できる工房店内

紅型体験 工房内
「紅型工房 結紅琉」工房内
工房内は座敷になっているので、足を伸ばしてのんびりくつろげます。この畳が園内を歩いてきた体に心地よく、ついゴロンと横になってしまいたくなる癒しの空間です。
ワンポイントアドバイス

座敷なのでお子さまと一緒に体験するのもおすすめ!

紅型染め体験の所要時間と料金

紅型体験 外観
紅型染め体験メニューはここで選ぶ
体験は外にある4種のメニューから選びます。それぞれデザインが異なるので、気に入ったものを選んで自分だけの紅型を染めてみましょう。今回はミニバッグをチョイス。体験メニューの所要時間と料金はこちら。

■紅型体験メニュー
体験メニュー 所要時間 料金
コースター 約20分 1,500円
ミニマット 約30分 1,650円
エコバッグ 約40~60分 2,300円
ミニバッグ 約30分 2,500円
※「おきなわワールド」入園料は別途
ワンポイントアドバイス

期間限定のデザインやメニューもあるので、選ぶ楽しみの一つに!

紅型染めの手順

紅型体験 説明
スタッフが紅型染めの手順を説明
実際に体験する前に、スタッフが手順や注意事項を解説。図で解説してくれるので、とてもわかりやすいです。工房では顔料を使って染める色差しを体験し、自宅で「水元(ミズモト)」と呼ばれる仕上げを行います。難しいものはないので、ぬり絵感覚で楽しめそうです。その手順はこちら。

■色の染め方
お手本を参考に色の配置を決める
顔料の量を調節。コップのふちでハケをしっかりしぼる
明るい色を使って全体の下地を塗る
グラデーションや影をつけたい部分を塗る
5 染め残しがないかチェック
6 工房ではここで終了
7 持ち帰って仕上げの作業(水元)をして完成
ワンポイントアドバイス

グレーの糊(ノリ)が塗られている部分は水元の後に取れる。

実際にミニバッグ紅型染めの色差しをする様子

紅型体験 顔料
顔料は全8色。上左から青、黄緑、黄色、ピンク、下左から紺、緑、紫、赤。座る位置によって上下が逆になる
紅型染め体験は、色鮮やかな顔料を使用します。顔料は白い陶器のコップに入れてあり、あらかじめ差し刷毛(ハケ)がセットされています。使った差し刷毛は他の色と混ざらなよう元の色のところに戻します

  • 青・黄緑・黄色・ピンク(顔料箱上列)紺・緑・紫・赤(顔料箱下列)


服装は何でもOKですが、顔料が付くと染まってしまうので注意。ミニバッグは白い生地の部分ともち粉とぬかで出来ている糊が塗られているグレーの部分があります。色が染まるのは白い生地の部分。グレーになっている糊の部分には色が染まらないので、白い部分からグレーの部分にはみ出して塗ることで染まりデザイン(絵柄)がしっかり出てきます。

紅型体験 着色
ミニバッグを染める
いよい体験スタートです。お手本を見ながらミニバッグを染めていきます。見本通り染めてもいいですが、配色を変えてもOK。顔料は多すぎると顔料同士が混ざってにじんでしまうので、コップの縁に差し刷毛をあて分量を調整します。うっかり手に顔料が付いたら、ウェットティッシュで拭きましょう。

紅型体験 着色
紅型体験 着色
糊のない白い部分を染める
ミニバッグは好みの色を選び、グレーの内側の白い部分を差し刷毛を立てて塗りムラのないようにしっかり染めます。明るい色から濃い色へ染めていくのがコツです。塗り重ねてもOK!

紅型体験 着色完成
バッグの色差しが終了!これで完成ではありません
お手本を見ながら染めましたが、ところどころ変えてみました。せっかくなので重ね塗りにも挑戦。図の縁を濃くしてみました。これを隈取り(クマドリ)と言うそうです。にじんでないか裏から見たり、塗り残しがないかチェックします。薄かったり白いところが残っているときれいに染まらないので、しっかり見ましょう。チェックが終わったら体験終了!

紅型体験 着色完成持ち帰り
ミニバッグを自宅へ
染めたミニバッグは、これで完成ではありませんこの後は自宅での作業になります。顔料が他に移ったりしないよう、スタッフが包装してくれます。

紅型体験 スタッフ
「紅型工房 結紅琉」のスタッフの皆さん
ミニバッグを染めている間はつい夢中になってしまいますが、わからないことがあったらスタッフの皆さんに聞いてくださいね。
ワンポイントアドバイス

顔料をしっかり絞ると隈取で綺麗にぼかせますよ。

ミニバッグ紅型染めの自宅での工程&完成品


ここから自宅での工程です。手順はこちら。

■水元の工程
風通しの良い室内で約1週間乾燥
当て布か新聞紙の上からアイロンをかける
40℃くらいのお湯に約1時間浸す
糊が溶けているか確認
糊や余分な顔料を優しく洗い流す
ヒラヒラとした顔料を手かスポンジで落とす
室内か日陰に干して乾かす
アイロンでシワを伸ばす
完成

紅型体験 色定着
新聞紙の上からアイロンをかける
持ち帰ったミニバッグは風通しの良い室内で1週間ほど乾かします。それ以上置くとカビが発生したりするので注意。バッグの上に当て布か新聞紙を置いて、その上からアイロンをかけます。自宅に新聞紙も当て布もない場合は、ミニバッグを包んでいた新聞紙を利用してもOK。熱を加えることで顔料を定着させます。

紅型体験 水洗い
紅型体験 水洗い
40℃ほどのお湯に浸した後に水洗いする
ここで糊(グレーの部分)を落とすため、40℃ほどのお湯に1時間ほど浸します。お湯の中に入らない時は、折りたたんだりして糊の部分がしっかりお湯に浸かるようにしましょう1時間経ったら糊が水に溶けているか確認します。溶けてないようなら、お湯を足してもう少し浸しておきます。糊が柔らかくなったら水で流します。

紅型体験 水洗い
紅型体験 水洗い
余分な顔料を落とす
水洗いは水中で優しく揺らします。揉み洗いすると顔料が剥がれるので注意。余分な顔料がひらひらとフリル状になったら、水だけでは落ちないので、柔らかいスポンジや手で優しく払います。これもゴシゴシしないようにしましょう。

紅型体験 干す
紅型体験 アイロン
乾かしたのちにアイロンをかける
糊と余分な顔料が落ちたら、バッグを室内か陰干しで乾かします。ギュッと絞るのはNG。乾く前は糊の部分がまだ薄くグレーが残ってますが、乾くと綺麗に消えています。しっかり乾いたらアイロンをかけて終了です。

紅型体験 完成
完成したミニバッグ
色鮮やかなミニバッグが完成しました。工房で染めるのも感動でしたが、自宅で色鮮やかに絵が浮かび上がるのがこれまた感動です。感動を2度も味わえるのは紅型染めならでは。私のセンスはイマイチですが、世界に一つだけの作品となりました。誰でも手軽に簡単に染められるので、ぜひ体験してはいかがでしょう。
ワンポイントアドバイス

顔料が落ちないよう、水洗いはゴシゴシせず乾かすときは絞らないで!

「紅型工房 結紅琉」の駐車場

紅型体験 駐車場
「おきなわワールド」の駐車場を利用
「紅型工房 結紅琉」へは、「おきなわワールド」の駐車場に車を停めて行きましょう
ワンポイントアドバイス

駐車料金が無料なのも嬉しい。

「紅型工房 結紅琉」の場所・店舗情報[Information]

マップで確認する
・那覇空港から車で約30分 
・沖縄自動車道南風原南ICから車で約10分
・那覇バスターミナルから54番、83番にて玉泉洞前バス停下車、徒歩2分
紅型体験 外観
名称
紅型工房 結紅琉(ビンガタコウボウ ユクル)
住所
沖縄県南城市玉城前川1336
電話番号
098-949-7421
営業時間
9時~17時30分 (最終受付16時)
料金
【紅型染め体験】1,500円 〜
※「おきなわワールド」入園料は別途
定休日
なし
駐車場
あり(400台)
予約
禁煙・喫煙
【屋内】
全面禁煙
【屋外】
全面禁煙
バリアフリー
カード
電子マネー
送迎サービス
なし
店舗一覧

※掲載の内容は取材時点の情報です。最新の金額や内容とは異なる可能性があります。

この記事を書いた人(ライタープロフィール)

ライター、マンガ編集者の島袋 直子

ライター、マンガ編集者

島袋 直子シマブクロ ナオコ

沖縄在住・出身。沖縄での編集・ライター歴30年余。「コミックおきなわ」編集長、「おきなわJOHO」編集長を経て1995年に編集プロダクションAB:設立(現コミチャン代表)。観光ガイドブック「るるぶ沖縄」シリーズの編集・ライターの他、マンガ関連では「コミックチャンプルーサイト」運営、(公社)日本漫画家協会沖縄ブロック長、「おきなわ文学賞」漫画部門審査員、沖縄ファミリーマート発行の漫画雑誌「ファミマガ」編集など。2024年には、うるま市発行のマンガ書籍「安慶名良信物語」編集も担当。

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