大人女子に贈る、とびきりリアルな沖縄旅行

本格的なろくろの陶芸体験で旅の思い出を作れる 「沖縄さんご焼き工房」|沖縄豊見城市

ライター:
ライター、マンガ編集者の島袋 直子
島袋 直子
さんご焼湯呑み制作

陶芸といえば、ろくろを回して作るイメージがある人も多いのでは。そんな陶芸家気分でろくろ体験できる工房が「沖縄工芸の杜(もり)」にあると聞いて行ってきました!

沖縄工芸の杜にある「さんご焼き」の赤いのぼりが目印の外観

さんご焼駐車場
「沖縄工芸の杜」外観。駐車場は誰でも利用可能
「沖縄さんご焼き工房」は、豊見城市の有名スポット「沖縄空手会館」の奥を進んだ「沖縄工芸の杜」にあります。「沖縄工芸の杜」とは伝統工芸の継承・発展のため作り手の支援や使う人との交流、工芸に関する情報を発信する施設。写真の2階車場を左に曲がった3軒目「沖縄さんご焼き工房」があります

さんご焼外観
「沖縄さんご焼き工房」外観
駐車場から歩いて見えてくるのが赤いのぼりが目印の「沖縄さんご焼き工房」。ガラス越しに販売している「さんご焼き」も見えます。

さんご焼看板
「沖縄さんご焼き工房」看板
木製の板にひらがなで「さんご焼き工房」と書かれているのが温かみがありますね。「さんご焼き」とは、沖縄の海を感じてゆったりしてもらいたいと名付けた「やちむん」のこと。「やちむん」とは沖縄の方言で焼き物・陶器を意味します。工房では陶芸体験、陶芸サークル、やちむんの販売を行っています。
ワンポイントアドバイス

体験時間に遅れる場合は、日程調整になることもあるので要連絡。

団体客も体験できるゆったりと広い工房

さんご焼工房内
ろくろと作業台が並ぶ工房内
工房内は広々としていて、窓も大きく開放的。体験用のろくろは5台、4人掛けの作業台も5台配置されています。取材は定休日にお願いしたので誰もいませんでしたが、普段は那覇空港から近いこともあり、気軽に訪れる観光客も多いようです。

さんご焼商品
さんご焼商品
さんご焼商品
工房内で販売されている「さんご焼き」の器
工房内では、お皿やコーヒーカップ、茶碗など「さんご焼き」の器も販売。人気があるので、お気に入りを見つけたらすぐに購入するのがおすすめです。
ワンポイントアドバイス

イベント時と夏休みは、混み合うことがあるので事前に確認を。

ろくろ体験&各種体験メニューの料金

さんご焼申込
スタッフの説明を受ける
受付を済ませると、スタッフが体験について説明。体験は予約制で、WEBと電話で申し込みができます。また、当日の電話予約や飛び込み受付も可能です。体験メニューは11種類、時間帯は4タイプあります。電話予約の際は、代表者、連絡先、人数、希望メニュー、希望時間帯を伝えましょう。体験メニューはこちら。

■体験メニュー&料金
体験名 料金
ミニシーサー(ペア)※1 4,500円
ミニシーサー(1個、2名以上) 3,300円
面シーサー 4,500円
お座りシーサー 5,000円
ミニカップ(小)新型 4,500円
カップ(中) 4,800円
マグカップ(大)新型 5,300円
やちむんの鈴 4,000円
平皿(丸/角) 4,800円
ゆいマール皿セット 8,000円
ろくろ体験(土・日曜限定) 6,000円(基本料金1個の代金、追加焼成は別途)
※1:ミニシーサーは1人でペア(2個作り)の体験料金
※送料別
※10人以上の団体には団体割引あり

■体験時間帯
  • 10時
  • 11時30分
  • 14時
  • 15時30分

体験の所要時間は45分〜60分ほど。凝ったものや個数が多い場合はもっとかかるそうです。今回は憧れの「ろくろ体験」をチョイスしかも工房のご厚意で「ミニシーサー(1個作り)」も体験させて頂くことになりました。その様子は、別の記事で紹介しているのでそちらもぜひチェックしてください。時間に余裕がない時は、スタッフが作品の提案とサポートもしてくれるそう。完成した作品は、1カ月半〜2カ月後に再来館で受け取るか、郵送(有料)も可能です。

さんご焼申込
用紙に記入
スタッフの説明を聞いたら用紙に記入。連絡先や完成品の送り先も記入します。「ろくろ体験」で作れるのは湯呑み、茶碗、小鉢、丼、皿など。1度に3〜4個作る方が多いようです。今回は「湯呑み」と「茶碗」を作ることにしました。

さんご焼エプロン
エプロンを装着
エプロンは工房で用意してあります。それを装着したら泥が跳ねてもズボンが汚れないよう、膝にタオルを載せます。今回の体験の手順はこちら。

■ろくろ体験&ミニシーサー作りの手順
申し込み書に記入
エプロンを装着
スタッフの真栄城さんがお手本を見せてレクチャー
実際に粘土に触れ土台を作る
湯呑み作る
茶碗を作る
ミニシーサーを作る(別記事で紹介)
後日、工房スタッフがそこ削りや釉薬掛けをして仕上げ
郵送または再来館で受け取る
10
自宅へ

体験は粘土で制作するまで。その後工房スタッフが作品を乾燥させ、素焼きを行います。十分に冷まして落ち着かせた後、色付けでもある釉薬(ゆうやく)をかけて本焼きします。それを
十分に冷まして落ち着かせたら完成。その工程が1カ月半〜2カ月ほどかかります。
ワンポイントアドバイス

服装はズボンがおすすめ。長いネイルは粘土に引っかかるので注意。

「ろくろ体験」の様子

さんご焼レクチャー
「ろくろ体験」の方法を説明
まずは担当の真栄城(まえしろ)さんが材料や「ろくろ体験」の手順を解説。粘土は焼き物らしい赤土を使います。

さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
真栄城さんがお手本を見せる
実際に土に触れる前に、真栄城さんが粘土の解説をしながらお手本を見せます。まずは土台から。真栄城さんの手の動きに注目です。

さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
さんご焼レクチャー
真栄城さんの手の動きを真似る
あっという間に土台が出来上がったら、真栄城さんが手の形をレクチャー。キツネの形にしたり、両手を重ねたり成型の方法によって手の形を変えます。それを見ながら手の形を真似てみます

さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
土台を作る
そしていよいよ制作。まずは洗面器に入った水で手を濡らします。実際に粘土に触れると柔らかくてびっくり!次にろくろの回転スピードを調整。右足元にペダルがあるので、それで速度調整します。踏み込みを深くするにつれ、回転速度が上がります。最初は慣れないので、浅く踏んでゆっくり回します。そして粘土を両手で押すように持ち上げて高さを出していきます。

さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
湯呑みの大まかな形が現れる
何度か持ち上げるようにして細くします。力が弱いと細くならないので、グッと挟み込むように持ち上げていきます。丁度いい高さになったら、頂上を親指で押し込んで湯呑みの大まかな形にします。

さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
湯呑みの厚みを調整する
そして右手をキツネの指にして、左手は湯呑みの外側を支えるように成形。指を4本揃えて湯呑みの底側から少しずつ縁に向かって両手を上昇させていきますが、両手の位置が噛み合わなくてグニャリと崩壊!なかなか難しいです。

さんご焼湯呑み制作
失敗作
残念ながら、失敗した湯呑みは土台から切り離されてしまいました。もったいないような、悔しいような……。でも楽しいです。

さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
最初からやり直し
気を取り直してこれまでの工程を最初から。同じ作業を進めたら、先ほど失敗したところで両手が噛み合うよう慎重に成形手が乾いてきたらその都度水をつけます。そしてどうにか形を整えることができました。

さんご焼湯呑み制作
さんご焼湯呑み制作
土台から切り離す
湯呑みの形が整ったら、真栄城さんが少しだけ手直し。そして自分で土台から切り離します。器の底と土台の境目を見極め、糸を使ってゆっくり水平に引いていきます。切れたら手をダブルピースをにして湯呑みをゆっくり持ち上げます。

さんご焼湯呑み制作
湯呑みが完成
これで湯呑みが完成!意外とサイズが大きいです。乾かしたり焼いたりすると縮むようです。

さんご焼茶碗制作
さんご焼茶碗制作
さんご焼茶碗制作
さんご焼茶碗制作
さんご焼茶碗制作
さんご焼茶碗制作
茶碗を作る
2つ目は茶碗を制作。途中までは湯呑みを作る工程と同じです。そこから両手で茶碗の形になるよう伸ばします。大きくなったら茶碗の縁を小さな布をあて、縁が外側へ反るように成形。茶碗の形ができたら湯呑みと同じ要領で切り離します。

さんご焼色見本
完成した陶器の色見本。手前左から飴色、グリーン、奥左からキビ赤、グリーン、黄瀬戸、キビ緑
湯呑みと茶碗の成形が終わったら、焼き上がりの色を選びます。色は釉薬によって付けられます。色の種類はこちら。

■ろくろ体験で選べる色
  • 飴色
  • キビ赤
  • キビ緑

今回は湯呑みはキビ緑、茶碗はキビ赤をチョイス。釉薬の「キビ」とは工房オリジナルで、サトウキビの灰をベースに作ったもの。その他の色は、他の体験メニューで選べます。
ワンポイントアドバイス

真栄城さんが手を添えてレクチャーしてくれるので、初めての方でも安心!

「ろくろ体験」の完成品&所要時間


さんご焼各完成
今回体験した作品。手前はミニシーサー、左奥は湯呑み、右は茶碗
「ろくろ体験」と「ミニシーサー(1個作り)」で作ったものを並べてみました。ここまでの所要時間は約1時間。この後は工房スタッフが1カ月半〜2カ月かけて完成させます。

さんご焼完成
左から手前は湯呑み、奥は茶碗、右はミニシーサー
体験から約2カ月後、完成したのがこちらです!「ろくろ体験」の作品は形が整って艶やかです。湯呑みのキビ緑は渋くてカッコイイ仕上がり。茶碗のキビ赤は品があります。どちらも日常の食器として使ってみたいと思います。別記事で紹介しているミニシーサーは愛嬌のある仕上りで、部屋に飾りたくなりました。陶芸体験の作品は夏休みの自由研究にもいいですね。私は完成品を工房に行って受け取りましたが、県外の方は郵送(有料)で自宅に届くで楽しみにしてくださいね。
ワンポイントアドバイス

焼き上がりの色の変化も楽しめる。

工房を切り盛りする真栄城 悟(まえしろ さとる)さん


さんご焼ご夫妻
工房を切り盛りする真栄城さんご夫妻
せっかくなので「ろくろ体験」を教えて頂いた真栄城 悟(まえしろ さとる)さんにお話をお聞きしました。
「この工房に入居したのはお客様に陶芸体験をして頂くことができるからです。私がもともと陶芸の講師をしていて教えるのが楽しいので始めました。今では小さなお子様のいる家族連れ、カップル、シニアなど県内外、そして海外の方もいらっしゃいます。みなさん楽しそうに体験してますよ。出来上がりも喜んで頂けて、LINEで写真を送ってくれる方もいらっしゃいます。」と真栄城さん。ここでの陶芸体験のポイントも教えてくれました。

■陶芸体験のポイント
  • 土の柔らかさを体感できる。触ると気持ちいい。
  • 思い通りにならない面白さ、悔しさ。でもそれが楽しい。
  • いつもと違う体の感覚と時間の経過。自分と向き合う大切な時間でもある。
  • 一生続く後味は大切な思い出になる。
  • 上手い下手を超えた大切なもの。時間はかかるけどきっといい思い出に。

さらに、「失敗も面白くていい体験なので、旅の思い出になりますよ。自分が作ったものが一生使えるので、何物にも代え難いですね。プレゼントで作るにしても、気持ちが入ってるので完璧じゃなくても愛おしくなってきます。ここで体験した1カ月半〜2カ月後にご自宅届くので、その間気持ちが熟成して、作品を2度楽しめます。他にも沖縄の海を感じられる器を展示販売しています。この器を見て、ゆったりした気分になって頂きたいですね」と語ってくれました。ろくろ以外にも皿やマグカップ体験などもあるので、そちらも作ってみたくなりました。
ワンポイントアドバイス

体験は楽しむのが大事!

「沖縄さんご焼き工房」の駐車場

さんご焼駐車場
建物横の駐車場
駐車場は道路沿いの「沖縄工芸の杜」2階の建物正面が「沖縄さんご焼き工房」までは近いですが、満車なら建物横にも駐車スペースがあります。

さんご焼駐車場
地下駐車場
雨天時は屋根のある、地下へ行くような1階の駐車場がおすすめです。
ワンポイントアドバイス

空港から近いので、時間が空いたら工房に電話してみて。

「沖縄さんご焼き工房」の場所・店舗情報[Information]

マップで確認する
・那覇空港から車で約14分
・那覇空港自動車道豊見城ICから車で約7分
・沖縄県庁から車で約10分
・奥武山公園沖縄県立武道館から車で約5分
・沖縄空手会館奥「おきなわ工芸の杜」内
さんご焼外観
名称
沖縄さんご焼き工房
住所
沖縄県豊見城市豊見城1114-1 おきなわ工芸の杜2階
電話番号
090-1941-6436
営業時間
10時~17時
料金
【ろくろ体験(土・日限定)】6,000円(基本料金1個分の代金、追加焼成は1個増えるごとに+1,000円、送料別)
定休日
月曜(祝日が月曜の場合は営業)
駐車場
なし
予約
禁煙・喫煙
【屋内】
全面禁煙
【屋外】
全面禁煙
バリアフリー
車いすでの利用可、バリアフリートイレあり(沖縄工芸の杜内)
カード
可(VISA、MasterCard、JCB、American Express)
電子マネー
可(PayPay、楽天Pay、QuickPay、d払い、LINE Pay、au PAY、アップルPay、iD、Kitaka、Suica、pasmo、tolca、manaca、ICOCA、SUGOCA、minoca、はやかけん、Jcoin、Smart Code、We Chat Pay、Union Pay)
送迎サービス
店舗一覧

※掲載の内容は取材時点の情報です。最新の金額や内容とは異なる可能性があります。

この記事を書いた人(ライタープロフィール)

ライター、マンガ編集者の島袋 直子

ライター、マンガ編集者

島袋 直子シマブクロ ナオコ

沖縄在住・出身。沖縄での編集・ライター歴30年余。「コミックおきなわ」編集長、「おきなわJOHO」編集長を経て1995年に編集プロダクションAB:設立(現コミチャン代表)。観光ガイドブック「るるぶ沖縄」シリーズの編集・ライターの他、マンガ関連では「コミックチャンプルーサイト」運営、(公社)日本漫画家協会沖縄ブロック長、「おきなわ文学賞」漫画部門審査員、沖縄ファミリーマート発行の漫画雑誌「ファミマガ」編集など。2024年には、うるま市発行のマンガ書籍「安慶名良信物語」編集も担当。

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