大人女子に贈る、とびきりリアルな沖縄旅行

沖縄屈指の神秘スポットをガイドツアーでめぐる「ガンガラーの谷」|沖縄南城市

ライター:
ライター、マンガ編集者の島袋 直子
島袋 直子
ガンガラーの谷カフェ
近年、古代人に関する遺跡発掘調査で話題の「ガンガラーの谷」。自然豊かで、中には古くからの信仰の場もあります。そんな神秘的な「ガンガラーの谷ガイドツアー」に実際に行ってきました!

「ガンガラーの谷」ってどんなところ?

ガンガラーの谷看板
「ガンガラーの谷」入り口
「ガンガラーの谷」は、沖縄自動車道南風原ICから国道507号を経て県道17号線沿い、本島南部の観光名所「おきなわワールド」向かいにあります。緑の芝生と木々が印象的です。「ガンガラーの谷」の広さは約14,500坪、コースの全長は約1kmです。料金は大人2,500円、中学生以上の学生1,500円(学生証提示)、小学生以下無料(保護者同伴)です。当日はキャンセル料が生じますが、前日までは予約に空きがあれば日時の変更も可能です。雨天時も行っていますが、雨具の貸し出しはないのでカッパ持参がおすすめです。

■ツアー料金
料金
大人 2,500円
中学生以上の学生 1,500円(学生証提示)
小学生以下 無料(保護者同伴)
※当日キャンセルの場合は料金発生
ワンポイントアドバイス

「ガンガラーの谷」はガイドツアー以外の入場は不可。定員制なので事前に予約を。

ツアー集合場所は「ケイブカフェ」 

ガンガラーの谷カフェ

鍾乳洞になっている集合場所の「ケイブカフェ」

入り口を入って見えてくるのは神秘的な洞窟の「ケイブカフェ」。異世界への入り口という感じです。ツアーはここに開始10分前までに集合。外からは洞窟があるように見えないので、ツアーの期待度が高まります。

ガンガラーの谷カフェ
ガンガラーの谷カフェ

「ケイブカフェ」はツアー参加者のみ利用可能

「ケイブカフェ」は鍾乳洞のラウンジという感じで、天井から時々水滴が落ちてきます。濡れないように各席にはパラソルを設置。そこから歩いてきた入り口を眺めると、尖った鍾乳洞の天井と外の緑のコントラストが鮮やか。ここでは時々コンサートや貸切パーティーも行われているそうです。

ワンポイントアドバイス

コースにトイレはないので、駐車場のトイレですませておこう!

見どころは亜熱帯の森や神秘的な洞窟など様々

ガンガラーの谷カフェ
ガイドさんがツアーを解説
いよいよツアー開始。徒歩でめぐりますが、その前に「ケイブカフェ」の奥にあるステージでガイドさんがツアー内容をお話しします。今回のガイドは矢野さん。とてもわかりやすいトークで、ワクワクしてきます。

ガンガラーの谷カフェ
ガンガラーの谷カフェ
パネルには「ガンガラーの谷」で発掘された遺物が。お茶入りの水筒を受け取り出発
「ガンガラーの谷」では発掘調査も行われています。「ガンガラーの谷」から約1.5km離れた「港川フィッシャー」から約2万年前の人類「港川人」の骨が発見されました。そこで、港川人がガンガラーの谷でも生活していたのではないか?と発掘が始まりました。これまでにケイブカフェからは世界最古約2万3,000年前の釣り針や、約3万年前の人の骨などが見つかっています。ひと通り解説を聞いたら、お茶が入った水筒を受け取ります。ひもが付いているので、肩から斜めがけにしていつでも水分補給が可能。さあいよいよ出発です。

ガンガラーの谷杜
ガンガラーの谷杜
「ケイブカフェ」を出ると緑が広がる
「ケイブカフェ」を出ると亜熱帯の森が広がります。すると緑の木々の香りと、鳥の鳴き声が。凛とした中にも癒される空気が漂います。そして亜熱帯の森を進むと、沖縄特有の植物も。

ガンガラーの谷杜
木々の間から川向こうの崖を見ることができる
コースを歩いていると、右側に川が流れ、その向こうには崖がのぞいています。「数十万年前の鍾乳洞が崩落し、現在のような『谷』となりました。崖のあたりに鍾乳洞の名残が見えます」とガイドさん。まるで、時が止まったような気分にさせてくれます。
ワンポイントアドバイス

歩道はあるけど履きなれた靴やサンダルが◎ ベビーカーは使えないので小さなお子さんは保護者で抱っこを!

現在も受け継がれる信仰の対象

ガンガラーの谷女洞窟
洞窟入り口は竪穴になっている
しばらく歩くと「イナグ洞」に到着。「イナグ」とは沖縄の言葉で「女性」のことです。こちらは古くから良縁や安産祈願の対象となっていて、洞窟の奥には女性を表す象徴的な岩があるそう。女性の神がいるということで、いつしか信仰の対象となったそうです。

ガンガラーの谷男洞窟
ガンガラーの谷男洞窟
川に沿って進むと「イキガ洞」へ
「イナグ洞」の次は「イキガ洞」へ。「イキガ」とは沖縄の言葉で「男性」のことです。

ガンガラーの谷男洞窟
ランタンを受け取り奥へ進むと……

洞窟の中は暗いので、用意されているランタンを受け取ります。このランタンがちょっとした探検気分に。


ガンガラーの谷男洞窟
イキガの神と呼ばれる鍾乳石
鍾乳石にぶつからないよう頭上に注意しつつ、足元は濡れているので滑らないように気をつけながら奥へ進みます。するとイキガの神と呼ばれる巨大な鍾乳石が出現! 数百年前から現在まで命の誕生や成長祈願に訪れる方がいるそうです。鍾乳石に触れるとご利益があるとか。さらに奥は川の流れる洞窟の出口となっていて、晴天で川の流れが穏やかな日には、陽光が反射して幻想的な景色に。
ワンポイントアドバイス

ペットの同伴や飲食物の持ち込みは禁止なので気を付けて!

フォトスポットは「大主(ウフシュ)ガジュマル」


ガンガラーの谷ガジュマル
「大主ガジュマル」をバックに記念撮影
さらに進むと、目の前に「大主(ウフシュ)ガジュマル」が!岩の上から気根を垂らした姿が圧巻です!つい写真をパチリ!ツアー参加者にも人気で、SNSにもよくアップされてるそうです。

ガンガラーの谷ガジュマル
ガンガラーの谷杜
圧巻の気根
ガジュマルの気根は枝から垂れ下がり、土の養分を求めて長い年月をかけてゆっくり移動するとか。そのためガジュマルは「歩く木」とも言われているそうです。

ガンガラーの谷展望台
ツリーテラスで休憩
次に展望台になっている樹上のビューポイント「ツリーテラス」へ。冷たいお茶でほっと一息休憩です。ここからは「ガンガラーの谷」内を流れる川の終点である「港川フィッシャー」方面を眺めることができます。「ガンガラーの谷」からの距離は直線で約1km。この距離も「ガンガラーの谷」で発掘が始まった要因の一つとなっています。
ワンポイントアドバイス

夏は日差しが強いので、あらかじめ日焼け止めを塗っておこう!

クライマックスは発掘調査現場へ!


ガンガラーの谷発掘
ガンガラーの谷発掘
人骨が発見された発掘現場
いよいよツアーはクライマックスの発掘調査現場「武芸洞(ブゲイドウ)」へ。「発掘調査は2007年にここから始まりました。こちらはこれまでの洞窟と違い、乾燥していて風通しが良いのが特徴です。しかも十分な明るさがあるので住みやすい環境となっています。約2万年前の人類『港川人』がこの洞窟で暮らしていたのではないか?ということで発掘が始まりました。今のところロープで囲んだ部分からは、2,500年前のお墓と人骨が発見されました」

ガンガラーの谷発掘
ガンガラーの谷発掘
ガイドさんの解説にも熱が入る
「この地点からは、数千年前の焦げたイノシシの骨が見つかっています。ここで数千年前にイノシシを焼いて食べていたんですね」

ガンガラーの谷発掘
まとめのお話
発掘のすごさに感心していると、ガイドツアーはいよいよ締めに。ツアーのまとめを聞くために用意されているベンチに座り、ガイドさんが解説。人類の進化や分類、日本人はどこからやってきたのか、ここで発掘された「港川人」とどういう関係があったのか。ガイドさんの解説にも熱が入ります。今後発掘が進めば日本人のルーツが見つかる可能性もあるそうです。古代のロマンがあふれるこの場所と解説に夢が広がります。

ガンガラーの谷終点
水筒を返却してツアー終了
そこからさらに歩いて「おきなわワールド」側の出口から出てツアーは終了。ここで水筒をガイドさんに返却します。結構暑くなったので、水筒のお茶が助かりました。もし「ガンガラーの谷」をガイドさんなしでめぐったら、気が付かない事が多かったかも。ツアーだからこそわかりやすく豊かな自然、港川人の存在、現在でも祈りの場であること、それが命のつながりを感じさせてくれて感動しました。ガイドの矢野さん、どうもありがとうございました。この後は「おきなわワールド」を楽しんでみたくなりました。
ワンポイントアドバイス

悪天候によりガイドツアーを中止する場合もあるので、その際は電話で確認を。

「ガンガラーの谷」の駐車場

ガンガラーの谷駐車場
緑が美しい広々とした駐車場
駐車場は100台駐車可能。道向かいの「おきなわワールド」には道路の下をくぐる通路もあります。

ガンガラーの谷駐車場
ガンガラーの谷駐車場
駐車場の様子
トイレはこの駐車場にしかないので、ツアー前にぜひ済ませておきましょう。
ワンポイントアドバイス

「ガンガラーの谷」駐車場が満車でも「おきなわワールド」駐車場もあるのでチェック!

「ガンガラーの谷」の場所・基本情報

マップで確認する
・那覇空港から車で約30分 
・沖縄自動車道南風原南ICから車で約10分
・那覇バスターミナルから54番、83番にて玉泉洞前バス停下車、徒歩2分
ガンガラーの谷看板
名称
ガンガラーの谷ガンガラーノタニ
住所
沖縄県南城市玉城前川202
電話番号
098-948-4192(ツアー受付は9時〜17時30分)
営業時間
9時〜16時
料金
【大人】2,500円
【中学生以上学生】1,500円(学生証提示)
【小学生以下】無料(保護者同伴)
※当日キャンセルは料金発生
定休日
なし(イベント時変更あり)
専用駐車場
あり(100台、無料)
指定駐車場
優待駐車場
共用駐車場
予約
禁煙・喫煙
【屋内】
【屋外】
屋外喫煙場所あり
バリアフリー
カード
可(VISA、MasterCard、JCB、American Express、Union pay)
電子マネー
可(PayPay、楽天Pay)
送迎サービス

※掲載の内容は取材時点の情報です。最新の金額や内容とは異なる可能性があります。

この記事を書いた人(ライタープロフィール)

ライター、マンガ編集者の島袋 直子
ライター、マンガ編集者

島袋 直子シマブクロ ナオコ

沖縄在住・出身。沖縄での編集・ライター歴30年余。「コミックおきなわ」編集長、「おきなわJOHO」編集長を経て1995年に編集プロダクションAB:設立(現コミチャン代表)。観光ガイドブック「るるぶ沖縄」シリーズの編集・ライターの他、マンガ関連では「コミックチャンプルーサイト」運営、(公社)日本漫画家協会沖縄ブロック長、「おきなわ文学賞」漫画部門審査員、沖縄ファミリーマート発行の漫画雑誌「ファミマガ」編集など。2024年には、うるま市発行のマンガ書籍「安慶名良信物語」編集も担当。

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